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ふくしまに想いを寄せる企業・団体が「ふくしまとチャレンジできること・していること」ふくしまから はじめよう。サミットin首都圏【後編】

「ふくしまから はじめよう。」のスローガンのもと、「ふくしま」に想いを寄せる企業や団体の皆さまと福島が一緒にチャレンジすることを目的に行われた、「ふくしまから はじめよう。サミットin首都圏」 。本日は、その中で行われた、福島支援に携わる、民間事業者3者と、はじめっぺによるパネルディスカッションの内容を前編・中編・後編に分けて紹介します。

後編では、福島でビジネスを進めていく上で大切なことを伺いました。そしてパネルディスカッションの最後に登壇者一人一人に今後福島をどうしていきたいかコメントをいただきました。

前編はコチラ
中編はコチラ

【登壇者】

 

【目次】

1.  福島でビジネスを進めていく上で大切なこと

2.  果敢にチャレンジしていけるような場が福島にはある

3.  今手がけていることを、これからどのようにしていきたいのか。そして福島の未来の話

 

 

1.福島でビジネスを進めていく上で大切なこと

司会:福田さん、山田さんいかがでしょうか。これからこのビジネスを進めていく上でこうして欲しい、こんな応援が欲しいというご意見はありますか

福田:すでに税金で500億を預かって実施しておりますので、何から何までサポートを期待するということではできません。我々の方はむしろ、サポート無しでどこまでできるのかというところを検討しています。

その為にはやはり経済性をさらに追及していく必要があります。今参加している11社で知恵を絞って、どうやってコストダウン、効率化を図って本当の事業として成り立つようにできるかと考えています。

もちろんサポートがあればあるに越したことがないですが多くのサポートがあれば、我々は甘えがちになります。しかしながら、世界で初めての事業を始めるのでサポート無しではできません。今は固定買い取り制度、再生可能エネルギーの固定買い取り制度で、太陽光・水力の値段は決まっています。洋上風力についても着床式は、36円と決まっています。全く新しい浮体式の買い取り価格については、国のほうで育てるという意味での価格の設定を期待しております。

山田:現時点において特に要望することはないのですが、ファイナンス・資金調達の問題は今後も常に起こると思います。すべての新規事業を自己資本だけでやることはできないので、今回かなりの資金提供を地元の金融機関にお願いしました。今後は地元の金融機関がファンドを作って、融資ではなく事業出資に積極的に取り組むと聞いています。我々はそういった資金提供元に、魅力的なビジネスモデルを提案して、出資や融資を受けていきたいです。今後地元の金融機関との関係づくりは、より緊密にしていきたいと思います。

司会:やはりビジネスは軌道に乗せ、継続していくために利益を上げ、ビジネスとして成り立たないとだめなわけですよね。そこが一つのネックになるのかなと思いますがいかがでしょう。

山田:企業をはじめてそれが収益を生んで継続すると、当たり前のことが成り立たないと雇用も作れませんし、新しいプロダクトを作りあげることができません。ビジネスとして始めたからには、そこを第一として頑張って、更にコミュニティに貢献していきたいと思っております。

 

 

2. 果敢にチャレンジしていけるような場が福島にはある

司会:菅家さん、いかがですか。事業の継続性、やはりある程度儲からないと続けられないですよね。いかがでしょう。

菅家:おっしゃる通りだと思います。わたくし自身、教育や福祉は利益になりにくい分野だと思っています。実はサービスを提供している中で強く思うのですが、震災直後から国の子育てに対する支援が減ってきたという感覚を持っています。どちらかというと、産業や経済支援のほうにウエイトが大きくなってきているなと思います。 

それは悪いという訳ではありません。今より良い環境、子育て環境を作りたいといってもお金に限りがあります。自分自身この領域の中でチャレンジして思うのが、企業と行政、お金を頂くとか予算を割くという議論でなく、一緒に連携して官民共同でやっていくところが大事だと思っています。

福島県が今後注力していく領域として、ロボット・医療・エネルギーとかものすごく大事だと思います。また、教育の領域で世界一を目指していくことも、非常に面白くなるのではないかと考えております。

丹波:震災と原発事故があり、不特異な災害として新しい課題を投げかけたこともありますが、もともと日本社会がもしかしたら20年後、30年後起こりうるかもしれない地域の課題を先取りしたところもあるのではないかと思います。課題先進地域とも言われますけど。社会的課題を、ビジネスの力で回避していく。それでビジネスが成り立つというのは課題解決のニーズがあるからこそだと思います。

それが先ほどの洋上風力であれば、日本の福島から県外もしくは世界、いろんな形で展開されるという話につながっていくと思います。ここ福島がそういったチャレンジをしていく、チャレンジの場になっていけばいいと思います。それは大企業もそうですし、そうではない菅家君みたいな起業家たちも含めて、「果敢にチャレンジしていけるような場が福島にはあるんだな」ということを皆さんにご理解いただきたいですね。

 

 

3. 今手がけていることを、これからどのようにしていきたいのか。そして福島の未来の話

 

司会:最後に、皆さんが今手がけてらっしゃることを、これからどのようにしていきたいのか。そして福島にどのようになってほしいか。といった未来の話を伺いたいと思います。

福田:まずは今年の7月に、世界最大級の7メガワットの風車を小名浜港で組み立て、据え付けをします。今日本にある風車は、2メガワットくらいが最大です。7メガワットというと、ここにいるかたがほとんど見たことがないような巨大な風車になります。それが小名浜港にドーンと建ちます。その雄大さ、壮大というのも直に見ていただき、福島の海で新たなエネルギーを作るということを皆さまに実感してほしいと思います。

また、ドイツにはブレーマーハーフェンという港があります。こちらの港は洋上風力関係で、企業の集積が進んで発展を遂げています。かつては非常に衰退していた港ですが、洋上風力で今もっとも活気のある町、港に育っています。この港のように福島も、大型の洋上風力で活気のある港・町にしていくことを目指したいと思います。

司会:山田さんお願いいたします。

山田:今日本でも、「まち・ひと・しごと創生」という動きができまして、首都圏一極集中ではダメで地方の活力を是非盛り上げたいという動きが、国レベルでも起こり始めました。

わたしは地方も競争状態に入ると思います。そこでどういう提案をして、どういうプロダクトやサービスを提供していけば生き残れるのか。我々はなんとか競争に立ち向かいたいなと思います。そういう観点から福島のおかれている状況をみると非常に面白いです。

会津地方の雪国でどうやって太陽光で発電するんだ、と言われましたが、発電できるような仕組みを導入しました。しかし今は想定以上の大雪で、かなりのパネルが雪に埋もれて残念ながらあまり発電していません。しかし様々なことを考える余地が充分あって、それをどうやって解決するのか考える材料はたくさんあります。毎日楽しませてもらっていますので是非皆さまにも足を運んでいただきたいと思います。

最後に会津電力のホームページを見ていただくと、23ヶ所の発電所の発電量を1時間おきに全部公開しています。会津地方でこういう発電をしたらこうなるのかということを、インターネットでどなたでも見れます。いろいろな知恵を自分たちでも出していますが情報公開をドンドンしていきますので、皆さま方からもお知恵を頂きたいと思っております。

司会:理想図というか、集合地を密集してというところもあるのですね。菅家さんいかがでしょうか。

菅家:福島を「住んでいる子どもも大人も、自己肯定感があるから挑戦できる場」にしていきたいと自分自身は強く思っています。自己肯定感、挑戦心が溢れている地域になって欲しいし、そのために今からできることを少しずつやっていきたいですね。挑戦心が溢れている地域になって若者やいろんなかたが連携して、各分野を盛り上げてほしいです。自分としては遊び、幼児教育という分野で産業を盛り上げていきたいです。ベースは挑戦心、自己肯定感。そこから産業や経済につながっていくのが理想だと思っています。弊社の「マジコレ」というアプリは、子どものお絵かきから、子どもの自己肯定感や新しいお絵かきをやってみようという些細なサービスになります。またぬいぐるみが届くサービスもうちだけではできません。兵庫の企業さんと連携して、はじめて子どものお絵かきがぬいぐるみになって届くという感動がお届けできます。

こういった挑戦や取り組みを福島だけで抱えるのではなく、一緒に感動を生み出していきたいと思っています。子育てには新しい形の連携が必要だと思っていますので、どんどん仕掛けていきたいです。今日お話した中で、少しでも気になったことがあれば声をかけていただき、今後一緒に福島から日本中世界中へ向け感動を生み出すことができればと思っております。

司会:最後に丹波さんお願いいたします。 

丹波:「福島の良さはどこ。」といわれると、なかなか一番がないといわれるのですが、自然が豊かで、食も美味しいし、温泉観光では暖かいところもあれば、会津のように雪深いところもあり、いろんなところが楽しめます。そこにもう一つ魅力として「人」というのを入れたいなと思っています。僕が学生のころの話ですが、阪神淡路大震災の時にボランティア仲間たちが被災地に行っていました。しかしながら僕は行けませんでした。その反省もあり、今回は僕も当時果敢に取り組んだ大人たちのように、災害教育で何かやらなくてはいけないなと思いました。

人が魅力を作っていけるような福島にしていく、いろんなことにチャレンジしていく、それ自身が福島の魅力なんだということを、もっともっとアピールしていきたい。そしてかっこいい大人を増やしていかないといけないという想いを持っています。

福島は4月からデスティネーションキャンペーンも行います。「かっこいい大人たちがたくさんいる」というのを、福島に来ていただくきっかけにしていただきたいと思います。

司会:皆さんありがとうございました。

福島と復興の話からスタートしましたが、話している内容は人づくりや地域づくり、国づくりのことでしたね。まさにここに心髄があるなと思いました。これから福島から新しい価値が生み出されて、それが日本、世界に広がっていくという未来が見えたような気がします。

ご清聴ありがとうございました。そして登壇者の皆さまありがとうございました。これでパネルディスカッションを終わらせていただきます。

 

※はじめっぺ直売所では季節に応じて様々な福島県産品を販売しております。

 

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