9月22日、Take action with ふくしま第3回アンバサダーミーティングを開催しました。当日の模様を報告いたします。
東日本大震災・原発事故から6年。復興に向けて、まだまだ様々な企業・団体の力を必要としている福島県と、福島に想いを寄せる様々な個人が、福島県の復興に寄与する取り組みを共創し、その輪を広げる活動としてスタートした活動が、「Take action with ふくしま」です。
Take action with ふくしまでは、「できることから、楽しく、自発的に」を合言葉に、企業・組織内に所属している個人の方の取組みを支援しています。
社会を変えるのは、1人の胸の中にある熱い想い。
福島のために何か取組みを始めたいあなたを、福島県が公式に「企業内アンバサダー」と認定し、アンバサダーの皆様の活動を全力で応援いたします。
登録・詳しいプロジェクト内容はこちらから。
会場は、渋谷区宮益坂にある「みんなの会議室」。
この日のゲストは、福島県二本松氏で生産者の再生産を支援する事業を行う、NPO法人リーフ理事長の廣田拓也さんと、日本コカ・コーラ株式会社でTABLE FOR TWOの活動を行う加藤淳さん。テーマは、「実際に開発中の商品をいかに企業の社員食堂に導入するか」です。廣田さんと加藤さんが開発中の、福島県のリンゴを使ったドライフルーツ「ふわふわりんご(仮)」を、企業内で購入してもらうにはどうしたらいいか?を考えます。
参加者が集まる前には、綿密な打合せが行われていました。
そうして決まった進行は以下のとおりです。
19:00-19:10 ごあいさつ趣旨説明
19:10-19:20 ゲスト自己紹介
19:20-19:25 参加者自己紹介
19:25-19:35 お題の共有
19:35-19:50 ワーク①シチュエーション洗い出し
19:50-20:05 ワーク②ペルソナの設定
20:10-20:40 ワーク③マーケティングシート作成
20:40-20:50 振り返り
20:50-21:00 アンケート記入
21:00- 懇親会
この日はあいにくの大雨でしたが、足元の悪い中6名の参加者が来場してくださり、スタートしました。
ゲストのおふたりと参加者それぞれの自己紹介のあと、まずは、加藤さんより「ふわふわりんご(仮)」についてご説明いただきました。
この商品の特徴は、福島県産のリンゴを特殊な方法で乾燥・圧縮し、軽くて柔らかい食感のドライフルーツにしていること。一般的にリンゴのドライフルーツというと、カリっとした食感のものや、糖蜜づけになっているものが多いなか、ふわふわとした食感のものは初めて食べた、という参加者もいました。とても軽く、手も汚れないので、リンゴそのものの甘味や酸味を手軽に楽しめます。また、リンゴをそのまま圧縮しているので、リンゴの持つビタミンCやリンゴポリフェノールなどの栄養価が残っており、健康や美容にもいいとのこと。砂糖などの余計なものを加えておらず、糖質などを気にしなくていいのも利点です。さらに、この商品は「TABLE FOR TWO」の対象商品なので、食べることで社会貢献にもつながります。
*TABLE FOR TWOとは:先進国で対象となる定食や食品を購入すると、1食につき20円の寄付金が、開発途上国の子どもの学校給食になる、という活動。
実際の商品はこんな感じです。今回の参加者は女性が多かったこともあり、いわゆる栄養補助食品はあまり食べない、とか、チョコレートなど高カロリーのものには罪悪感がある!といった声もあり、このふわふわりんごはとても好評でした。
商品の説明をしていただいたら、最初のワーク①シチュエーション洗い出し、にはいります。課題は「ふわふわりんご(仮)」を企業で広めるにあたり、どんな時にどんなシチュエーションで手にとりますか?」です。
第1回、第2回のアンバサダーMTGとは違い、しっかりと紙とペンを使って考える課題に戸惑いの声が上がりつつも、皆さん真剣に考えていました。
記入したあとは、それぞれが考えたものを発表し合います。「忙しくてご飯を食べ損なった時、会議の前にお腹がならないようにパパっと食べる」といった声や、「女性に気配りができるところを見せたい男性が、ちょっとしたお礼として手渡す」「企業内でしか売っていないことを生かして、取引先への手土産に使う」など、参加者自身の日頃の経験を踏まえた具体的な意見がたくさんでてきました。
それを聞く、廣田さん、加藤さんも楽しそうです。
参加者どうしも打ち解けてきたところで、ワーク②ペルソナの設定に移ります。ワーク②は、ワーク①をもっと掘り下げて、「このふわふわりんごを買う人は、どんな人か、ペルソナを考える」です。ペルソナとは、マーケティングの専門用語で、ターゲットとする人物を、年齢や職業、趣味、嗜好まで具体的に設定し、場合によっては●●子さんといった名前までつけてイメージしていく手法です。「●●子さんなら、どんなライフスタイルをおくっているか」「●●子さんなら、こういう時どんな風に考えるか?」といったことを考えていくことで、商品の販売戦略を考える参考にします。
この課題には、ワーク①以上に戸惑いの声が上がりましたが、それでもさすが皆さん、次々と具体的なイメージが出てきます。「いわゆる港区女子」「40代で子供がいるキャリア女性」「最近健康診断の数値がちょっとマズいオジサマ」や、「美容の意識が高く、既製品であってもひと手間加えてしまうような女性。たとえばドライフルーツをヨーグルトと合わせてアレンジしてみたり」など、新たな商品の食べ方まで飛び出しました。
ホワイトボードもどんどん埋まっていきます。
最後のワーク③は、ワーク①②を踏まえてマーケティングシートを作成します。
・どんな人が、どんなシチュエーションで商品を手にとるのか?
・その人はどんな課題やニーズを抱えているか?
・ふわふわりんごは、その人にどんなベネフィットが提供できるか?課題解決ができるか?
・競合はどんな商品か、差別化ポイント、訴求ポイントは何か?
・セールスの「キャッチコピー」や「タグライン」は?
といったことを、順にシートに書き出していきます。
日頃、企業の最前線や、経営者として活躍されている参加者の皆さまでも、「難しい…」「会社の会議のようだ…」と漏らしつつ、今回もやはり素晴らしい答えの数々がでてきました。「キャッチコピーは、サプリ+リンゴでサプリンゴ!」など販促に関するもの、「タイムカードの横にあったらいいのでは?」「会議室に置いて取引先にも勧めちゃえ」などの販売場所のアイディア、具体的なパッケージのイメージなどもあがりました。
廣田さん、加藤さんも、質問を投げ返したり、さらにアイディアを重ねたりと、とても真剣に聞き入っていました。おふたりのなかでもさらなるアイディアが生まれたりしていた様子です。
今後ふわふわりんごは、ターゲットの絞り込みやパッケージデザインなどを経て、販売の実現に向けて動いていく予定です。いつか、実際に売られているところを見られるよう、『Take action withふくしま』でも引き続き追いかけていきたいと考えています。
さて、ワークショップのあとは、福島の日本酒や郷土料理を囲んでの簡単な懇親会です。
福島の復興と、来月からお仕事でアフリカへ旅立つ加藤さんの無事を祈って、乾杯。
今回は具体的な商品を題材にしたワークショップだったため、あえて参加人数を少なめに設定し、ひとりひとりが深く意見を出し合えるようにしました。その甲斐あって、とても素晴らしい意見がでていたと感じます。参加者からのアンケートでも、6名中2名が「非常に満足」、4名が「やや満足」と、概ね満足していただけたようです。特に具体的な商品が設定されていた点、廣田さんと加藤さんが熱い想いを持って真剣に参加者の意見に耳を傾けてくださった点が好評だったようです。一方で、やはり「難しかった」「ハードだった」という声もあり、今後の参考といたします。
今後は、
・10月15日(土)・16日(日)に六本木ヒルズで開かれる「福島フェス2017」への参加
・第4回アンバサダーMTG 11月開催予定、場所未定 「旅・研修」をテーマ
・交流会in福島ツアー「1泊2日ではまなかあいずを周り、今の福島をもっと知ろう」秋予定
・最終回アンバサダーMTG 来年2月開催予定、場所未定 成果発表会
を予定しています。随時お知らせしていきます。
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